JR貨物「業務創造推進プロジェクト(仮称)」を発足 垣根越え、前向き議論
2017/09/10
日本貨物鉄道(JR貨物)は、鉄道事業の黒字化を目的とした「中期経営計画2016」の最終年度を迎え、現在その完遂に取り組んでいる。また「経営自立化」を目的とした次期中期経営計画を策定中であり、会社発足から間もなく30年という節目を迎えるいま、現在行っている業務そのものを抜本的に見直しすることを目的として、「業務創造推進プロジェクト(仮称)」を発足した。
本プロジェクトが推進する取り組みは、従来、JR貨物が進めてきた取り組みとは一線を画すもの。従来は、経費や要員数を減らすことを主とした運動だったが、次期中期経営計画では、目指す会社の将来の姿を実現するために必要な「ヒト・モノ・カネ」は投入していく。また、本社、支社、現場といった垣根を越えて前向きな議論をどんどん進め、社員一人ひとりが働き甲斐を感じられるよう、仕事の進め方や諸制度等を抜本的に見直し、実行していく。
本プロジェクトは、「ワーキンググループ」、「プロジェクトチーム」、「本部」の3つの組織で構成する。
①ワーキンググループ(WG)
WGは、本プロジェクトの取り組みを推進する「メインエンジン」に位置付けられる組織で、取り組みテーマに応じて複数設置し、改革の意識がある各業務のプロフェッショナルをメンバーとして全社から集める。
メンバーはWGとして取り組む具体的なテーマを設定する。そのテーマの実現に向け、「ヒト・モノ・カネ」に縛られることなく自由闊達に議論をする。また、社外の専門家の指導を受けながら、具体的な改革案を策定・提言し実行していく。
②プロジェクトチーム(PT)
PTは、WGの取り組みを支援する組織。全社的な観点からWGの取り組みに対して助言やWGの取り組みが円滑に進むように系統間の横繋ぎを担う。
③本部
本部は、会社の経営判断を行う経営会議メンバーと各支社長から構成される。各WGが策定・提言した具体的な改革案を吟味し、実行の最終決定を行う。
JR貨物は本来ユニークな企業で、JR貨物だからできることが多くあるはず。取り組みのスキームは特別変わったことではないが、今までこれができなかったのであれば、社員にとってはいよいよチャンスの到来。会社がさらに前向きになり、そう遠くないうちに魅力にあふれ、大きく収益も上げる企業となることを期待したい。