JR東海 3次元測量技術を用いた橋りょうまくらぎ測量装置を開発
JR東海は、2009年より東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策を実施しており、その一環として今年度(2016年度)からは、無道床橋りょうにおける脱線防止ガードの敷設を進めている。無道床橋りょうとはバラスト(砕石)を敷かず、まくらぎやレールを橋桁で直接支えている鉄桁構造の橋りょう。橋の重量を抑えることができるが、振動吸収性や補修作業容易性が落ちる。
無道床橋りょうでは、列車が通過する際に列車荷重により橋桁にたわみが発生するという特性があり、このたわみを考慮して橋りょうまくらぎ(樹脂等でできた合成まくらぎ)の厚さを連続的に変えて設置することで、快適な乗り心地を確保している。このため、橋りょうまくらぎの交換にあたっては、作業員が、その厚さを定規等で1本毎にミリ単位の精度で測量し、同じサイズの橋りょうまくらぎを製作する必要があった。
現在計画している無道床橋りょうでの脱線防止ガード敷設(24.4km)を進めるにあたっては、今後、約3万本を専用の橋りょうまくらぎに交換する必要があり、それに伴って測量作業を大量に行う必要がある。そこで、高精度かつ効率的に測量できる3次元測量技術を用いた測量装置を、JR東海小牧研究施設が開発した。これにより、作業員が測量していた時に比べ、1日当たりの測量可能な距離が約20倍に向上する。