JR東海 石綿を含有した車両部品の廃棄方法が適切でなかった可能性
2017/09/10
JR東海は、国土交通省中部運輸局からの指示を受け、石綿を含有した車両部品の処理方法について調査を行った結果、既に廃棄した車両部品の一部について、石綿含有の疑いがあることが判明したと発表した。
◆調査結果の概要
石綿含有部品名 | 石綿含有部品の搭載車両 | 該当両数(石綿含有量) |
台車心皿ブッシュ | 211系電車の初期の一部車両 | 1両(約270g) |
台車軸箱支持装置案内子 | キハ40系気動車の一部車両 | 30両(最大約34kg) |
※台車心皿ブッシュ…車体から下に出た円柱状のピンと、台車側にはめ込む部分の接触を緩衝する役割を果たす円筒状の部品。
※台車軸箱支持装置案内子…台車の車軸の前後にあるコイル状のバネの内側の部品の接触を緩衝する役割を果たす円筒状の部品。
◆内容
(1)台車心皿ブッシュ
・211系電車の初期の一部車両で石綿含有部品が搭載されていることが判明した。
・2008年に当該部品を交換した際に、石綿を含有する台車心皿ブッシュを石綿が含有していない鉄屑として売却した、あるいは、一般の産業廃棄物として処理した疑いがあることが判明した。
・なお、交換時に使用した部品は石綿非含有部品だった。
(2)台車軸箱支持装置案内子
・キハ40系気動車の一部車両で石綿含有部品が搭載されていたことが判明した。当該部品には石綿含有部品と非含有部品が併用されていた。
・2005年から平成2010年にかけ、経年劣化に伴い当該部品を全数交換した際、廃棄品の一部に石綿含有部品があった可能性があり、石綿を含有する台車軸箱支持装置案内子を石綿が含有していない鉄屑として売却した、あるいは、一般の産業廃棄物として処理した疑いがあることが判明した。
・なお、交換時に使用した部品は石綿非含有部品であり、その後キハ40系気動車は廃車又は譲渡した。
◆健康への安全性
・当該部品に含まれる石綿は、成形された樹脂に混合しているため、走行中に飛散する恐れはない。
・また、小型の部品であることから、産業廃棄物処理及び売却後の処理過程の中で破砕された可能性は低く、ただちに人体に健康上の被害はないものと考えている。
◆対策
これまで把握していた石綿含有部品の適正な管理を行ってきたが、新たに判明した部品を含め、JR東海が所有している車両の石綿含有部品の適正な管理・廃棄を徹底するとのこと。
◆その他
本件については、中部運輸局および労働基準監督署に報告済み。
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