JR北海道 石綿を含有した車両部品を混合金属クズに混入して売却・廃棄
2016/12/07
石綿を含有した車両部品の処理方法について、他鉄道事業者で発生した事象を踏まえ、北海道運輸局鉄道部から指示を受けたことから、JR北海道でも調査を行った。その結果、既に廃車解体した車両部品の一部について石綿を含有していることが判明した。
■石綿を含有した車両部品、搭載車両、解体両数及び部品総個数
石綿含有部品 | 搭載車両 | 解体両数 | 個数(石綿含有量/個) |
台車中心ピン心皿ブッシュ | 183系気動車 | 5両 | 10個(約270g/個) |
台車軸箱支持装置案内子 | キハ40形気動車 | 8両 | 128個(約70g/個) |
183系気動車 | 5両 | 80個(約70g/個) |
■内容
(1)石綿を含有した車両部品の処理方法について調査した結果、183系気動車の一部車両の台車中心ピン心皿ブッシュ及び台車軸箱支持装置案内子、及びキハ40形気動車の案内子に石綿が含有していた。
(2)心皿ブッシュ及び案内子は、レジン樹脂に石綿が練り込まれ、硬化成形されたもので、使用によりレジン樹脂の微量の摩耗はあるが、石綿の状態で飛散することはない。
(3)今回、廃車解体について調べたところ、183系気動車及びキハ40形気動車は、2008年~2016年までの間に、経年により13両(183系:5両、キハ40形:8両)の解体を行っており、その際、当該部品を混合金属クズに混入して売却していたことが判明した。
(4)当該部品については、廃棄処理の際、小型の部品のため粉砕されず、そのまま金属とともに溶解していることから、直ちに人体に健康上の被害は無いものと考えている。
(5)廃車解体時の心皿ブッシュ及び案内子については、今回の事実が判明して以降、石綿含有廃棄物として処理を行っている。
■対策
現在までも把握していた石綿含有部品の管理、処理を行ってきたが、今後も、今回、判明した当該部品を含めて、所属車両の石綿を含有した車両部品の適正な管理、処理を徹底するとのこと。
■その他
本件については、北海道運輸局及び北海道労働局に報告済。
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