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JR東海 在来線沿線地震計の機能強化・高架橋柱の耐震化進捗など
東海旅客鉄道(JR東海)は、地震発生時における安全性向上の取組みを進めている。このたび、地震防災システムを構成する在来線の沿線地震計について、機能強化を図ることとし、構造物等の耐震化の進捗状況と合わせて内容を公表した。
■在来線沿線地震計の機能強化
在来線に使用している沿線地震計(全44箇所)は、「初期のわずかな地震動(P波)」と列車走行の微振動を区別することが難しいという課題があり、「主要な地震動(S波)」を検知して各列車に警報を発信する仕組みだったが、2013年に、P波と列車走行の微振動を区別することが技術的に可能となり、新幹線の沿線地震計にP波を検知する機能を導入したのに合わせ、在来線においても、新幹線と共用の沿線地震計(7箇所)について、P波の情報を活用して早期に列車に警報を発信できるよう、地震防災システムの機能を強化した。
その後、強化されたシステムが安定的に運用できていることを踏まえ、今回、在来線の各線区に設置している沿線地震計についても、取替のタイミングに合わせ、P波を検知する機能を導入する。これにより、S波を検知する場合と比較して、警報を1~2秒早く発することが可能となり、従来よりも早く列車を減速・停止させることで安全性が向上する。
2022年度までに37箇所に順次導入する。工事費は約2.5億円。
■在来線における耐震化の進捗状況
○高架橋柱の耐震化
省令で対象となっている高架橋柱と、JR東海が「高密度線区」および「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」から選定した高架橋柱計約5,075本のうち、今年度末までに約5,020本(99%)の耐震化が完了する。2017年度末までに、省令対象を含む、対象の高架橋柱すべての耐震化 が完了する見込み。
○駅舎の耐震化
省令の対象である、利用客数1日あたり1万人以上の駅について、今年度、橋上化にあわせ草薙駅、春日井駅の工事を終え、全44駅の耐震化が完了した。
JR東海が独自に対策を進める5千人以上1万人未満の32駅については、今年度、新所原駅、恵那駅の工事を終え、計28駅の耐震化が完了する。
残る4駅のうち、2017年度末の時点で、天竜川駅、鷲津駅の耐震化が完了する予定。これにより、橋上化を計画中の2駅(蟹江駅、裾野駅)を除く全ての対象駅で耐震化が完了する見込み。
■駅天井の脱落対策
地震時における駅の安全性を一層向上するため、今年度より、新幹線全17駅と、利用客数が1日1万人以上の在来線30駅について、駅天井の脱落対策を進めている。
現在、名古屋駅中央コンコースで工事を進めている。
2017年度は、名古屋駅、品川駅、金山駅、大曽根駅、勝川駅、磐田駅で工事を進める予定。